ユーフォニアム奏者海野百合香、濱岡雪乃の両氏からの委嘱作品。「華やかで女性らしさがあり、ユーフォニアムらしいキャッチ―な楽曲を」という依頼の基作曲させて頂いた。短いイントロと華やかなカデンツァに始まると、柔らかで温かく、どこか懐かしいメロディが紡がれていく。その後3/4拍子と6/8拍子が混在する急速な場面に入ると、ユーフォニアムによるシンプルで明るいテーマと鮮やかでリリカルなテーマが登場する。明るいテーマが転調され奏されると、序盤の柔らかなメロディが再登場し、急速なコーダを以って華やかに盛り上がりを見せて幕を閉じる。ちなみに「煌めく記憶の中で」というタイトルはこの曲を書いている際に起きた「とあるハプニング」から想起されたものであるが、紙面の都合上その内容は割愛する。いずれにせよ、このタイトルを頼りに何かを想い起していただいてもいいのかもしれないし、私自身にとってもこの曲に対する新しい感じ方のヒントになるかもしれない。