【機種選びについて】
前回の記事の通り、ユーフォニアムには様々なタイプのものがあり、さらにメーカーごとに様々なモデルが出ていますので、購入の際にはまず機種選びが難しいかと思います。もし習っている先生がいらっしゃるのであれば、最初にその先生に相談をして一緒に選んでもらうようにしましょう。
特に習っている先生もいらっしゃらず自分自身で機種選びをしなくてはならない場合、吹いてみないことには何もわかりませんのでまずは楽器屋さんで色々と試奏をさせてもらいましょう。その際のポイントをいくつか挙げておきます。
♪楽器屋さんの試奏室は皆さんが実際に練習をする音楽室やコンサート会場よりも狭く天井が低いことが殆どです。ユーフォニアムはスペースによって音の聞こえ方だけでなく吹き心地もかなり左右されますから、実際に広いところで吹くとどんな風に鳴るのかをイメージしながら吹いてみてください。出来れば信頼できるお友達や顧問の先生等についてきていただき、なるべく離れたところで聞いてもらうようにもしましょう。
♪ユーフォニアムは大変高価な楽器で一生に一度の買い物になる可能性も高いですよね。自分の今後の音楽人生のパートナーを迎えるにあたり、下記を考えるようにしてみてください。
「(特に始めてまだ年数の浅い方は)今の自分にとって難しすぎる楽器を選ぼうとしていないか?」
自分にとっては極端に重い楽器、現状のスキルではどうにもこうにもならない程ピッチバランスが難しい楽器、極端に構えにくい楽器等、始めたばかりの自分にとって難しすぎる楽器を選んでしまうとスムースな成長を妨げてしまう可能性があります。
だからと言って「簡単に音が出るからこれ」と安易に即決することにも気を付けましょう。その楽器が自分の演奏するシチュエーションに合っているかどうか、自分が本当に出したい音が出せるかどうか、今後の自分の成長につながる楽器か等を考慮し、少し課題を感じても長い目で見た学びや成長を視野に入れることも大切です。また、将来もっとこんな事やあんな事がしたいなと思った時にその楽器では物足りなくなる、というようなケースも出てきます。
~名器YEP321~
殆どの中高の吹奏楽部で所有しているYAMAHAのYEP321(右写真の右手で4つのバルブを操作する細管の楽器)、実はこれはとても優れた名器です。反応がよく各音のピッチバランスにも目立った癖はなく、サウンドもとてもクリアです。
コンペンセイティングシステムを搭載した楽器よりも音圧が少ないので、シチュエーションによっては他パートとのバランスもとてもとりやすいです。
一昔前のアメリカのプロオーケストラでユーフォニアムを使用する際にはこの楽器がよく使われていましたし、ジャズ奏者にも大変重宝されてきた楽器です。新井も所有しており時々使用しています。
また、反応がよくコントロールもしやすい楽器なので、初心者の導入にも大変優れています。軽くて扱いやすく、コンペンセイティングシステムの楽器に比べてはるかに掃除も簡単です。コストパフォーマンスにも優れていますね!
どうしても高価なコンペンセイティングシステムの楽器の方が優れていると思われがちですが、大切なのは値段やシステムではなく、人それぞれやシチュエーションにあった楽器を選ぶことです。
【選定について】
さて、購入する機種が決まったらその次に「選定」を行うことをお勧めします。
人の手によって作られる楽器達にはどのメーカーのどの機種にも個体差というものがあり、全く同じ楽器でもそれぞれ違ったキャラクターを持っています。そのため、楽器屋さんで同じ機種のものを数本用意して頂いて自分にとって一番いい個体を選ぶ「選定」という作業を行うことを強くお勧めします。せっかく数十万円~百万円以上の買い物をする、場合によっては一生に一度のパートナー選びになるわけですから、より良いものを購入したいですよね?
ただし、デリケートな違いを判断して行う「選定」は慣れない方には大変難しいですし、専門的な知識が必要になる部分もあるため、なるべくプロ奏者にお願いすることをお勧めします。
習っているプロ奏者の先生がいらっしゃる場合はその先生に選定して頂くことが理想ですが、周りに相談できるプロ奏者がいらっしゃらない場合は、楽器屋さんが開催する相談会のようなイベントに参加してみたり、お目当て機種のプロ奏者による選定品を在庫しているお店を探してみたり、管楽器取扱店のスタッフさんにプロ奏者による選定品の手配をしていただけないか相談してみる等、出来る限り手を尽くしてみましょう。
(もしつてがなく新井に相談したいという方は、このサイトのお問い合わせからお気軽にご連絡くださいね♪)
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